Bokrug

Detailed Explanation (may be) of Gods of CTHULHU MYTHOS

 

 

ボクラグ、ボクルグ

 

1920年  初言及作品:H・P・ラヴクラフト「サルナスをみまった災厄/サルナスの滅亡/サーナスの災厄」 

1948年     関連作品:H・P・ラヴクラフト「幻夢郷カダスを求めて/未知なるカダスを夢に求めて」  

1969年    登場作品:ブライアン・ラムレイ「大いなる帰還」

1975年    言及作品:ゲーリー・メイヤーズ「The House of the Worm」

1982年    関連作品:フィル・パナジオ「The Lay of Bokrug」

 

この神はおそらく古きものです。リン・カーター(Lin Carter)がアマチュア時代に作成した「クトゥルー神話の神神」(H.P.Lovecraft : The Gods)では、大地の神にされていますが、この作品における大地の神はその項目自体、殆ど黒歴史のようなものですから気にする必要は無いでしょう。

イブの町で非ヒューマノイド種族に依って崇められていた水蜥蜴神です。と云う事は姿形も推して知るべしでしょう。The Scot44号に発表されたラヴクラフトのごく短い散文「サルナスをみまった災厄」(The Doom that came to Sarnath)に依ると、人類の台頭以前、ムナール(Mnar)大陸の月から飛来したと伝えられている湖近くの湿地帯に、これも湖と共に町ごと月から飛来したと云われている緑色のぶよぶよした非ヒューマノイド生物達が居住するイブ(Ib)の町で崇められていました。その生物達は月の形が半月から満月になる期間、この神を象った石像の前で舞を演じていたそうです。後、イブの町はサルナスの町を築いた人類に依って滅ぼされ、非力だったイブの町の住人達は全滅させられましたが、神ボクラグの呪いは一千年後に発動し(遅いよ!)サルナスも滅びました。その後、サルナスの様子を見に来た若者達がそこで発見した水蜥蜴の石像はイラーネク(Ilernek)の神殿に祀られ、やがてムナール大陸中で月の形が半月から満月になる期間、人々に礼拝されるようになったとされています。ボクラグの崇拝は一千年の時を経て崇拝者達を滅ぼした生物である人間達に依って復活し、代わってサルナスを中心に大陸に拡まっていた三人の主神達に対する信仰は、急速に失われて行ったようです・・・・・・って、それはそうでしょうね。最終的にボクラグが勝ち組、三主神が負け組となった訳ですから、勝ち組の方に信仰が集まるのも、もっともな事でしょう。                                                   で、結局、ラヴクラフトは、ムナール大陸何処にあったのかは語っていませんでした。ところが「未知なるカダスを夢に求めて」(Dream-Quest of Unknown Kadath)で、Dream-landsの話であった事が判明します。

一方、アーカム・ハウスのアンソロジー「Tales of the Cthulhu Mythos」に書き下ろされたブライアン・ラムレイ(Bryan Lumley)「大いなる帰還」(The Sister City)では、うつし世の事となっています。イブ滅亡の折、人間の手にかかって果てた神ボクラグの子孫の一族が第二次大戦下のイギリスで人間に混じって暮らしており、成長と共に肉体が変容して行くものの、或る者は精神的に耐えられずオークディーン精神病院に収容され、或る者は自らを深きものと想って海で暮らすようになり、その中で遂に無事に変容を遂げイブの姉妹都市のあった所へ水蜥蜴神ボクラグが帰還を果たす・・・と云った内容なのですが、こちらの設定に沿って書かれた作品は今のところ無いようです。                                                           Dream-landsを舞台にしたメイヤーズの連作集「The House of the Worm」でもボクラグの名前は登場しています。ここではムナールDream-landsにあります。                                 一方、フィル・パナジオ(Phil Panaggio)が1980年にダゴン秘密教団で発表(後にCthulhu Codex8号に再録)した詩「The Lay of Bokrug」では、うつし世の事のように読めます。                     

ボクラグは出自が一切不明の神ですが、最初に崇拝していた生物達が月から来たのであれば、元は月に居た神だったのかも知れません。そして、Dream-landsの月には矢張り爬虫類型の古きものムノムクァ(Mnomquah)が封じられているので、案外、両者は血縁か何かかも知れません。

なお、テーブルトークRPGでは、ボクラグは水蜥蜴神と云いながら、実は全長12フィートの緑がかった青色のイグアナ似であるとされています。え?・・・・・・鼻面が尖っていてシャープな水蜥蜴と亀を想わせる温厚そうな顔のイグアナとでは全然違うのですが・・・・・・と云う事は石像は水蜥蜴の形だから、実は神の似姿ではなかったと云う事?                                           でも、何故にイグアナ・・・・・・?                                                                   確かに水蜥蜴よりもユーモラスな感じで可愛いいんですけど・・・

 

 

 

神名一覧に戻る

TOP PAGEに戻る 

 

Detailed Explanation (may be) of Gods of CTHULHU MYTHOS