Detailed Explanation (may be) of Gods of CTHULHU MYTHOS
ウェンディゴ
1910年 初言及作品:アルジャノン・ブラックウッド「ウエンディゴ」
1933年 関連作品:オーガスト・ダーレス「風に乗りて歩むもの/奈落より吹く風」
1951年 言及作品:オーガスト・ダーレス「ネイランド・コラムの記録」
1957年 言及作品:オーガスト・ダーレス「ルルイエの印」
この存在については、古きものか古きものの化身、又は別名であると想われます。
元は民間伝承の妖怪もしくは精霊で、この伝説の妖怪を題材にしたアルジャノン・ブラックウッド(Algernon Blackwood)の「ウェンディゴ」(Wendigo)で言及された存在でした。それを取り込んだのはラヴクラフトではなくダーレスでした。想うに先人の作品を取り込んだりするラヴクラフトのやり方を見ていたダーレスは、自分でも真似してみたのでしょう。そこでダーレスが書き上げたのが彼の神話作品中最高傑作とでも云うべき「風に乗りて歩むもの」(The Thing that Walked on the Wind)でした。古きものイタカ(Ithaqua)のデヴュー作品でもあります。ダーレスは、ここで、わざと「ウェンディゴ」と云う作品名を出さずにブラックウッドの名を示唆的に出すにとどめ、イタカとブラックウッドの作品との関連を匂わせています。 そしてダーレスは1951年の「ネイランド・コラムの記録」(The Keeper at the Sky)でイタカと ウェンディゴが似ている事を匂わせ、1957年の「ルルイエの印」(The Seal of R'lyer)では、遂にウェンディゴをイタカの従兄弟と呼んでいるのです。
結局、ウェンディゴ自身の登場が無いので、この存在についてはイタカの別名か化身か、或いはイタカの同族と云った感じではないかと想われます。
一方、テーブルトークRPGではウェンディゴについて独自の設定があります。創造者はスコット・ディヴィッド・アニオロウスキー(Scott David Aniolowski)で、彼はウェンディゴをイタカに仕え崇拝する野蛮なヒューマノイド種族としています。ただ、知性が低いのかLesser Old Oneではなくモンスターの一種として扱われているようです。面白いのは二体以上のウェンディゴが出会うと戦いになり、敗れた方は勝者に喰われた後、心臓を炎で焼かれて滅されると云う事です。でも、それじゃあ子孫はどうやって残すのでしょう?
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