Erlik

Detailed Explanation (may be) of Gods of CTHULHU MYTHOS

  

エルリク  

  

1917年 関連作品:ロバート・W・チェイムバーズ「The Dark Star」

1920年 言及作品:ロバート・W・チェイムバーズ「魂を屠る者」

1966年 言及作品:ロバート・E・ハワード「King of the Fogotten People」 

 

呼称:暗黒星(The Dark Star)

 

その他に分類される存在です。クトゥルー神話的に実在なのか、それとも信者達の頭の中にだけ存在しているのかは不明です。

現実に中央アジアの伝承で創造と死の神と伝えられている存在です。特にトルコでは邪神としての側面があり、そこからロバート・W・チェイムバーズ(Robert W Chambers)が悪役(?)に選んだようです。彼が1920年に発表した長編伝奇小説「魂を屠る者」(The Slayer of Souls)で、イェーズィーディー(Yezidee)族の王子が率いる暗殺者達が信奉する神とされています。なお、「魂を屠る者」が収録された「黄衣の王」のあとがきで大瀧啓裕氏はチェイムバーズの使用しているのは異綴りである事を明らかにされています。本来はヤーズーディー(Yazidi)族と云うらしく、主要言語をクルド語とする少数民族のようです。一時期、悪魔崇拝者と誤解されていた為、悪役に選ばれてしまったようですが、エルリクの伝説圏からは外れていて主神も別に居ました。(彼等の本来の神は後にロバート・E・ハワード(Robert E Howard)がクトゥルー神話で使用しています。)又、そこで大瀧氏はチェイムバーズエルリクを使う事になった経緯について、1917年に彼が発表した長編冒険小説「暗黒星」(The Dark Star)であろうと解説されています。この小説のタイトルこそエルリクの別名であり、その事がチェイムバーズ自身に依って序文で語られているのだそうです。

エルリクは実在の邪神(?)であったせいか、意外とクトゥルー神話作家の間では使われなかった神様ですが、ロバート・E・ハワードが使っていました。彼は、全盛期には一日の大半をタイプライターに向かって費やしていたそうで、かなりの多作家だったようです。しかし生前は様々な事情で不採用に終わるものも少なくなかったようで、没を喰らったのか自分で没にしたのか、未完成だった原稿は勿論の事、完成していながら未発表と云う原稿がかなり存在しており、そのうちの一作で1966年に同人誌に発表された「King of the Fogotten People」エルリクの神官が悪役となる冒険小説です。

いずれにせよ、エルリクはクトゥルー神話作品中で現実に存在する神として出現した事は無く、クトゥルー神話の神々と共にコメントされた事も無いようです。                                                それならば、どうしてここに入れたのかと云われると「魂を屠る者」が、英語圏ではクトゥルー神話の一作とされているからです。

 

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