Detailed Explanation (may be) of Gods of CTHULHU MYTHOS
フジウルクォイグムンズハー、フズィウルクオイグムンズハー
1932年 初言及作品:クラーク・アシュトン・スミス「土星への扉/魔道士の挽歌」
1934年 言及文書:クラーク・アシュトン・スミス"Letter to R.H.Barlow June 16th"
2001年 言及作品:リチャード・L・ティアニー「The Contemplative God」
別名
ジウルクァズ=マンザー(Ziulquaz-Manzah)
クグサクスクルス(Cxaxukluth)の次男です。ツァトゥグァ(Tsathoggua)の父方の叔父に当たる神であり、ツァトゥグァの父であるギーズグス(Ghizugth)の弟でもあります。独身です。土星=サイクラノーシュ(Cycranosh)で隠居生活を送っており、上下逆様のツァトゥグァと云った姿を見せています。究極の菜食主義者とも云うべき存在で動物はおろか植物や微生物すら摂取せず、サイクラノーシュの地表に流れる液体金属を食糧としています。すなわちフジウルクォイグムンズハーは殺生一つ犯さず生存し続けている存在で、スミスの理想がここに見える様な気がします。
性格的には極めて温厚かつものぐさな神で、サイクラノーシュに居るツァトゥグァの親戚関係の中では、最も強大な力を持っている筈なのですが、面倒臭さのあまり信者にわずらわされない隠居生活を選んだ神です。
スミスがStrange Storiesの1934年1月号に発表した「魔道士エイボン」(The Door to the Saturn)に登場しました。
後にThe Family Tree of the Gods(From the Parchments of Pnom)と云う作品になるスミスのロバート・H・バーロウ(Robert H Barlow)宛書簡の中で、かつて海王星=ヤークシュ(Yaksh)に居た頃に熱狂的に崇拝されていたが面倒になり土星へ移り住んだものの、土星人たちからも熱狂的に崇拝されてしまい、よそへ移住するのも面倒になったのか、土星上で身を隠していたとしています。面倒臭いので土星に留まっていた事からどうやら太陽系で土星軌道より内側には来た事が無く、当然、地球にも来た事は無いのですが、ツァトゥグァから話を聞かされていたエイボンと運悪く(?)遭遇してしまい、エイボンと交信した弟子に依って本意では無かったのでしょうが「エイボンの書」に記載される事になってしまいました。
イホウンデー(Yhoundeh)の神官モルギ(Morghi)に追われて土星へ逃れたエイボン(Eibon)が遭遇した神(エイボンは前もってツァトゥグァから名前を聞かされていた)ですが、面倒臭さの為、エイボンとの会話を望みませんでした。しかし、だからと言ってエイボンを実力で排除しようとしたり、自ら去ろうともせず、あっちに行けとだけ言ってエイボンが去るのをただ待ち続けたのは、何かをするのが面倒だったからでしょう。この偏屈な程ものぐさな所が妙に人間臭い神です。これならば土星に行った時、記念撮影のバックにしても大丈夫でしょう。相手が立ち去ると判っていれば逃げも攻撃もしないのですから。そう云う点では、古きものの中でも最も温厚で遭遇しても危険はありませんが、益も無い(話のネタが出来る以外)神と云えそうです。
この神がエイボンに向かって言ったただ一言「イクイ・ドロシュ・オドフクロンク」(Idhui dlosh odhqlonqh)=立ち去るべし(小林勇次訳)/立ち去るがよい(大島令子訳)は、今日、あまりにも有名です。
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