Detailed Explanation (may be) of Gods of CTHULHU MYTHOS
ジヒューメ
1934年 初言及文書:クラーク・アシュトン・スミス"Letter to R.H.Barlow Sept 10th"
1934年 関連作品:クラーク・アシュトン・スミス「七つの呪い」
クラーク・アシュトン・スミス(Clark Ashton Smith)がR・H・バーロウ(R H Barlow)宛の書簡で語っている事に依ればイホウンデー(Yhoundeh)の母にして父で、原存在(Archytype)の一体です。原存在についてはスミスがWeird Talesの1934年10月号に発表した「七つの呪い」(The Seven Geases)に登場していますが、おそらくこの作品が発表されたばかりの頃の書簡なので、こんな風に筆が滑ったのでしょう。「七つの呪い」では原存在達は、それぞれの動植物の原型に当たる霊と物質の中間的な存在とされていて、固有の名称が存在している描写はありませんでしたが、「七つの呪い」を書いていた時には、彼らに固有の名があるかどうか迄は考えていなかったのでしょう。
スミスに依ればジヒューメはエルクの原存在だそうです。エルクは鹿の一種でヨーロッパのエルクは篦鹿、又は大鹿と訳されますがアメリカのエルクとは異なる種類の鹿だそうで、アメリカのエルクは日本の鹿と近縁の小型の鹿だそうです。スミスはアメリカ人ですが、どちらのエルクの積もりだったのかは判りません。しかしヘラジカと云ってしまうと、ヨーロッパのエルクに限定されてしまうので妥当ではないと想います。
それにしても「七つの呪い」を読む限りでは原存在は雲か霞の塊の様なかなり大まかな感じで、恐竜の原存在にしても、アロサウルスとか輪郭で判る程度なので、何で鹿の一種の原存在がわざわざ存在しているのか不明です。鹿の一種なのですから、全ての鹿の原存在が別におり、そこから様々な鹿の原型に当たる原存在が誕生して行ったのかも知れません。
なお、地球の全ての生き物がウッボ=サトゥラ(Ubbo-Sathra)から誕生したと云う話が別にありますので、ウッボ=サトゥラの設定に従うならば、ジヒューメもウッボ=サトゥラから生まれたものかその子孫なのかも知れません。
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