Detailed Explanation (may be) of Gods of CTHULHU MYTHOS
アブホス、アブホース、アブホート
1934年 初登場作品:クラーク・アシュトン・スミス「七つの呪い」
1976年 言及作品:リン・カーター「Zoth-Ommog」
呼称
原初の定まった形なき灰色の井守(the grey, formless efts of the prime)
クラーク・アシュトン・スミス(Clark Ashton Smith)がWeird Talesの1934年10月号に発表した「七つの呪い」(The Seven Geases)に登場した存在で、七つ目の呪いの主です。原存在(Archytype)達よりも地下の最下層に棲息する存在で、一種のテレパシーを使えるらしく相手が人間であっても思考を伝える事が可能です。神々や魔術師に比べれば、原存在やアブホスは比較的傲慢な感じですが、それでも思慮深さが感じられ、論理的かつ慎重な性格をしています。人間で云えば、栄養学的見地から食事の献立を選び、食事の前には必ず石鹸で手を洗うタイプです。
アブホスは自らを最古の神々と同年齢と称しています。そして自ら分裂増殖して誕生させた生き物が、年月を経てどの様にしてか成長し、大きくなって帰還、或いはそれ等の子孫が戻って来たところを食べます。食べると云うよりは吸収する感じでしょうか。つまり自分の細胞が大きくなったり増殖したものを再び取り込むと云う自給自足サイクルを地底に完成させ、最下層の化け物ばかりの空間は、その為の生態系と云う事になります。
慎重なアブホスは、自分から増殖したものかその子孫以外は吸収しようとしません。食中毒が怖いので拾い喰いはしない・・・と云ったところでしょうか。いや、吸収と云うのは食餌より細胞の移植に近いものがあるかも知れません。だとしたら、自分の中に直接細胞などを取り込むのであれば、自分と同じ遺伝情報を持ったものの方が拒絶反応は無く、これは理にかなっています。
後にリン・カーター(Lin Carter)はアンソロジー”Disciples of Cthulhu”に寄せた「Zoth-Ommog」の中で、アブホスがウッボ・サトゥラ(Ubbo-Sathra)の子供であり、スミスがウッボ・サトゥラが産んだものとして挙げている原初の定まった形なき灰色の井守はアブホスの事であるとしました。
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