Detailed Explanation (may be) of Gods of CTHULHU MYTHOS
クトゥグァ
1944年 初言及作品:オーガスト・ダーレス「アンドルー・フェランの手記」
登場作品:オーガスト・ダーレス「闇に棲みつくもの」
1976年 言及作品:リン・カーター「Zoth-Ommog」
1978年 言及作品:エドワード・ポール・バーグランド「Sword of the Seven Suns」
2002年 言及作品:朝松健「聖ジェームズ病院」
この存在は、オーガスト・ダーレス(August Derleth)がWeird Talesの1944年11月号に発表した「闇に棲みつくもの」(The Dweller in Darkness)に初めて登場しますが、同誌の同年3月号に発表された「アンドルー・フェランの手記」(The Trail of Cthulhu)にも名前だけは出ており、恐らく執筆順は逆だったものと想われます。その初登場は、あのナイアルラトホテップ(Nyarlathotep)の天敵と云う物凄い看板を背負っての出現で、召喚されるや配下の炎の生物(Fire-Vampires)を引き連れて降臨する様は圧巻なのですが、それだけと云ってしまえば、それだけです。 他に特徴らしいものはありません。姿形は前述の炎の生物達と同じです。炎の生物は、ドナルド・ワンドレイ(Donald Wandrei)の怪奇SF小説「Fire-Vampires」に登場する存在ですから、ダーレスはワンドレイの創造物をコピーしただけと云えるでしょう。結局、想像力が乏しかったのか、クトゥルー神話でダーレスのオリジナリティが見られるのはElder Godの存在と神々を四大元素に分けると云う発想くらいでしょうか。なお、ダーレスは、炎の生物達がクトゥグァの子供達であるとしましたが、ワンドレイの炎の生物達は全てフサグァ(Fthaggua)の端末的存在でしたので、姿形だけ貰って設定は変えたのでしょう。そのフサグァはリン・カーター(Lin Carter)がアンソロジー"Disciples of Cthulhu"に寄せた「Zoth-Ommog」で彼が創案した概念であるLesser Old Oneである炎の生物の長としてクトゥルー神話に取り込まれています。又、カーターは後にクトゥグァの息子のGreat Old Oneとして、白い炎のアフーム=ザー(Aphoom-Zhah)を創造しています。
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