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Cthulhu

 Detailed Explanation (may be) of Gods of CTHULHU MYTHOS

 

クトゥルー、クルウルウ、ク・リトル・リトル、クートウリュー、

クスルー、クスウルー、クトゥルフ、トゥルー、ズールー 

 

 

1928年  初言及作品:ハワード・フィリップス・ラヴクラフト「クトゥルーの呼び声/クトゥルフの呼び声/クートウリュウの呼び声/CTHULHUの喚び声」

1929年    言及作品:ハワード・フィリップス・ラヴクラフト「ダニッチの怪/ダンウイッチの怪」    

1936年    言及作品:ハワード・フィリップス・ラヴクラフト「狂気の山脈にて/狂気の山にて/狂気山脈」

1936年    言及作品:ハワード・フィリップス・ラヴクラフト「インスマスを覆う影/インスマウスの影/インズマスの影」

1936年    言及作品:ロバート・E・ハワード「アッシュールバニパルの焔/アツシュールバニパル王の火の石/アシャーバニパルの炎宝」

1939年    言及作品:オーガスト・ダーレス「ハスターの帰還」

1944年    言及作品:オーガスト・ダーレス「アンドルー・フェランの手記」

1952年    登場作品:オーガスト・ダーレス「ホーヴァス・ブレインの物語」

1976年    言及作品:リン・カーター「Zoth-Ommog」

1979年   言及作品:ロス・F・バグビイ「The Arctic Stone」

1992年    言及作品:ジョン・ブラナー「Concerning the Forthcoming Inexpensive Paperback Translation of the Necronomicon of Abdul Alhazred」

1999年    言及作品:ショゼフ・S・パルヴァー「The Nightmare's Disciple」

2008年    登場作品:シーマス・クーパー「Tha Mall of Cthulhu」

 

古きものの一員で神々の高等司祭(High Priest)です。文学史上、キングコングと並んで有名な巨大怪獣でしょう。巨大宇宙怪獣のハシリでもあります。そして、下半身が龍、上半身が人間で背に蝙蝠の翼があり、頭が蛸で、しかも頭部の蛸に至っては蛸の全身(?)が首の上に乗っかると云う東映の特撮怪人を先取りした様なデザインセンスで、クトゥルーを有名にした理由の半分以上がこのデザインに依るものと想われます。「SFは絵だ」と云ったのは、今は亡き野田大元帥ですが、ラヴクラフトがそれを聞いていたら「ホラーは絵だ」と云ったかも知れません。事実、五感に訴える恐怖表現を追及したラヴクラフトがクライマックスで頼ったのが「手が!手が!」の様な視覚表現で、それも語り手の口を通しての視覚表現でした。淡々と古風に綴られていた作品の文体は、ここで一気に破壊されてクライマックスを迎えると云う独特の表現形式を開発したラヴクラフトは、その語り手視覚に映る恐怖の本体も独特なものにしました。その結果・・・ラーン=テゴス(Rahn-Tegoth)辺りになって来るとやや複雑なのですが、初期の頃はダゴン(Dagon)にせよ、ウエイトリー(Whateley)兄弟にせよ、ミ=ゴ(Mi-Go)にせよ、かなりシンプルな描写でもって全体像を読者に理解させられると云う優れた絵的センスを彼は発揮してみせてくれたのです。

有名なあの言葉の通り、クトゥルーは海底に沈んだルルイエの神殿内部で眠りに就いています。言葉からして唯の眠りなのではなく一種の仮死状態なのでしょう。ラヴクラフトは星辰の巡りを原因としており、周期的に訪れる冬眠の様なものかも知れません。この眠りの状態はダーレスに依って、古き神達に依ってもたらされた封印であるとする設定が導入され、今日、星辰に依るものとする設定と古き神に依るものとする設定とが存在し、書き手に依って使い分けられていますが、どちらかと云えば古き神に依る封印の設定を利用する書き手の方が目立つ様です。

後のクトゥルー神話群のフォーマットとなる「クトゥルーの呼び声」(The CalL of Cthlhu)をラヴクラフトは1926年に脱稿しましたが、Weird Talesの迷編集長ファーンズワース・ライトに一度は断られ、その後、1928年の2月号に掲載されました。ラヴクラフトは、斬新なアイデアをライトはすぐには理解出来ないので、断られても半年経って送ってみろと、ドナルド・ワンドレイ(Donald Wandrei)にアドバイスした事があると云い、想うにライトは平凡な常識人だったのではないでしょうか。ラヴクラフトについてはブッ飛び過ぎているものの人気があるので仕方無く載せていたのだと想います。 人類誕生以前に地球に君臨していた巨大かつ異質な(文字通り異星人)存在と云うアイデアの作品がこうして世に出たのは、日本で云うなら昭和2年の事でした。そして、ここで語られるクトゥルーの最初の恐怖はその有害なテレパシーでした。まどろみながら夢を見ていたクトゥルーは無意識のうちにテレパシーを発していたのですが、その思考はあまりに異質でした。海底に居る間は海水が邪魔をしてテレパシーを塞いでいるのですが、海底で地震が起きルルイエが隆起して海面に出ると途端にテレパシーが撒き散らされ、感受性の強い人間は発狂し、そうでない人々も悪夢に悩まされてしまうのです。

クトゥルーは高等司祭とされていますが、ラヴクラフトがWeird Talesの1929年4月号に発表した「ダニッチの怪」(The Dunwich Horror)ではクトゥルーは古きもの達と血縁関係があるものの、その存在をはっきりと感知出来ないとされていて、クトゥルーと他の古きもの達との間には天と地ほどの力の差がある様に想われます。そして、ライトに掲載を拒絶されてAstounding Storiesに分載された「狂気の山脈にて」(At the Mountains of Madness)において、クトゥルーは人類どころか哺乳類誕生以前に地球に飛来した異星人の指導者だった事が明らかにされます。

クトゥルーの血縁に関しては、その系統について主に五つの説が存在します。                                   まず、ラヴクラフトの説でヨグ=ソトース(Yog-Sothoth)シュブ=ニグラス(Shub-Niggruth)の間に生まれた「恐ろしき双子」の片割れナグ(Nug)が父親(母親は不明)とするもので、ここでラヴクラフトは双子のもう一方のイェブ(Yeb)ツァトゥグァ(Tsathoggua)の父(矢張り母親は不明)とし、両者を従兄弟であるとしました。この説はジョゼフ・S・パルヴァー(Joseph S Pulver)が採用しており、この説に基づいてクトゥルーの異母妹カッソグサ(Kassogtha)を創造し、更にクトゥルーとカッソグサの間に娘としてヌクトサ(Nctosa)ヌクトルー(Nctolhu)の双子の女神が居るとしており、又、ついでに従姉妹にドヌムル(D'numl)が居るとしています。                                                                                                       次にクラーク・アシュトン・スミスの説で二つあります。一つはアザトース(Azathoth)から分裂して誕生した両性具有のクグサクサクルス(Cxaxukluth)が父親であり母親であると云うもので、こでクトゥルーはツァトゥグァの父親のギズグス(Ghizugth)フジウルクォイグムンズハー(Hziulquoigmunzhah)と兄弟、つまりツァトゥグァの叔父に当たると云うものでした。もう一つは何だかよく判らないのですが、プトマク(Ptmak)がクトゥルーの生みの親とするものです。これはスミスが同人誌に発表し、後、ロバート・H・バーロウ(Robert H Barlow)宛ての書簡で事のついでに書いているものです。それに依るとクトゥルーだけでなくナグの一族は、皆、プトマクが生んだとしされていて、想うにラヴクラフトが書いたものを読んで、ラヴクラフトの設定を補完する形で作ったものなのでしょう。                                                                                 その次の説がフレッド・L・ペルトン(Fred L Pelton)に依る古き神ソトース(Sothoth)が全ての古きものを創造したとするもので、クトゥルーも他の古きもの達と一緒に創られた事になります。                                                                    最後に最も有名なのが、リン・カーター(Lin Carter)に依るヨグ=ソトースの息子説です。クトゥルーは暗黒の星とも呼ばれる緑の二重星ゾス(Xoth)の出身で、妻イダ=ヤアア(Idh-Yaa)との間に設けた三体の息子ガタノトア(Ghatanothoa)、イソグサ(Ythogtha)、ゾス=オムモグ(Zoth-Ommog)と、これにブライアン・ラムレイ(Brian Lumley)が創造した娘のクティラ(Cthylla)を加え四体の子供を連れて地球に到来したと認識されている事が多い様です。イダ=ヤアアについては不明の点が多いのですが、前述のジョゼフ・S・パルヴァーはイダ=ヤアアをクトゥルーの最初の妻であるとし、二番目の妻が死んだ後、異母妹のカッソグサを三番目の妻としたとしています。つまりパルヴァーの作品では、クトゥルーの現在の妻はイグ(Yig)シュブ=ニグラス(Shub-Niggurath)の孫である蛇の性神カッソグサと云う事になります。

なお、ブライアン・ラムレイ(Brian Lunley)「盗まれた眼」(Rising with Surtsey)でクトゥルーと何らかの関わりがありそうなオトゥーム(Othuum)と呼ばれる古きものに言及しています。又、ジョゼフ・S・パルヴァーの長編「The Nightmare's Disciple」に依れば、クトゥルーが地球に到達した時、地球にはまだ一つの大陸と一つの海、ゴンドワナ大陸とテティス海しか無く、クトゥルーは海を支配する際にムナガラー(M'nagalah)を代官としていたとなっています。又、ロス・F・バグビイ(Ross F Bagby)「The Arctic Stone」ではクトゥルーは召使としてダゴン(Dagon)リヴァイアサン(Leviathan)を創った(ヒュドラ(Hydra)は入っていません)としています。

クトゥルーは人類誕生以前に既に眠りに就いていますが、それでも人類の中にもクトゥルーを崇拝する者達がおり、クトゥルー教団とでも呼ぶべきものが人類の歴史の裏で連綿と続いています。ラヴクラフトの「クトゥルーの呼び声」(Call of Cthulhu)にはニューオリンズ警察のジョン・レイモンド・ルグラース(John Raymond Legrasse)が湿地帯に集まっていた信者達を一斉検挙した経緯が描かれています。あの有名なPh'nglui mglw'nafh Cthulhu R'lyeh wgah'nagl fhtagn!(フングルイ・ムグルウナフー・クトゥルフ・ル・リエー・ウガ・ナグル・フタグン=死せるクトゥルフが、ル・リエーの家で、夢見ながら待っている(宇野利泰訳)/ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん=ルルイエの館にて死せるクトゥルー夢見るままに待ちいたり)の文言も、ここで信者達の唱える言葉として登場しているのです。そしてこの後、ルグラースは長い年月をかけて教団と戦い続ける運命となるのです。

シーマス・クーパー(Seamus Cooper)「Mall of Cthulhu」は、矢張りクトゥルー教団の引き起こした事件を描いた長編ですが、ここで教団は魔術に依りショッピング・モールの一角とルルイエを繋げてそこからクトゥルーの元へ行こうと図り、チェーン系コーヒーショップのクイークエグ(!)に店員として勤める主人公とサブヒロインの女性店員が巻き込まれ、最後はFBI捜査官のヒロインと政府の超常現象対策員に救出される迄を描いた作品です。某コーヒーショップ(主人公の勤める店名がヒントになっています)に勤務経験があると云う作者が発表したこの作品では、クトゥルーは有害なテレパシーを発してはいません。一人では寂しいので一緒にルルイエに迷い込んだサブヒロインを探していた主人公はクトゥルーの正面に出てしまい、相手がクトゥルーでも良いからと色々話しかけ、それでも眠ったままなので何とか起こそうと派手にタップダンスまで披露し、騒ぎを聞きつけてやって来たサブヒロインに起こすと大変な事になるからと注意されるのですが、二人とも発狂どころか精神に何ら影響を受けた様子は見られませんでした。まあ、この状況でのほほんと会話していられるのが異常だと云うツッコミはあるかも知れませんが。

ハスター(Hastur)ナイアルラトホイップ(Nyarlathotep)と違いクトゥルーは直接、人類の文化や歴史に貢献する様な事はしていませんが、ロバート・E・ハワード(Robert E Howard)「アッシュールバニパルの焔」(The Fire of Asshurbanipal)では、表題にもなっている不思議な魔力を秘めた宝石の製作者としてヨグ=ソトース(Yog-Sothoth)、コス(Koth)と共に名前が挙げられています。

クトゥルーはオーガスト・ダーレスの作品に於ける四大精霊説では水神であり、しかもその頭領とされ、巨大なエイリアンに過ぎないラヴクラフトの作品に較べると大分出世した感がありますが、ラムレイの作品になるとそんなものでは済みません。ヨグ=ソトース等を差し置いて古きもの達の首領なのです。ここでは彼等は古きものではなく、首領のクトゥルーの名をとってクトゥルー眷属(Cthulhu Cycle Dity)、略してCCDと呼ばれています。彼等は元は現在敵対中の古き神達の一員でした。その古き神達の代表はクトゥルーと同じ姿形のクタニド(Kthanid)です。

名前の発音については、ラヴクラフトが「クルウルウ」と発音していたと言う証言がある一方、「クトゥルウ」と発音していたとも言われています。又、ダーレスは「クトゥルウ」と発音していたとも言われています。いずれにせよ、ラヴクラフトが同時に二つの音節を発する名称で人間には発音出来ないものだとしているので、どう表記しても正しい発音でないのは確かです。それでも多くの翻訳家達がその表記に頭を悩まして来ました。変わった表記としては平井呈一氏が「ズールー」とした他、創元文庫で大西氏が一番UNCANNY(神秘的)な雰囲気が出るものとして「クトゥルフ」、国書刊行会で荒俣氏がラヴクラフトが発音してみせたと言うものをドイツ語読みしたものとして「ク・リトル・リトル」としたものなどがあります。

 

関連項目

クトゥルーの落とし仔

南極の先住種族

ジョン・レイモンド・ルグラース

ラバン・シュリュズベリイ

 

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