Fugue Devil

Detailed Explanation (may be) of Gods of CTHULHU MYTHOS

 

フーガ・デヴィル

 

1987年  初言及作品:スティーブン・マーク・レイニー「Therenody」

1988年    言及作品:スティーブン・マーク・レイニー「The Spheres Beyond Sound」

1992年    関連作品:スティーブン・マーク・レイニー「Spiritual Radio」

1993年    関連作品:スティーブン・マーク・レイニー「Fugue Devil」

1996年    関連作品:スイィーブン・マーク・レイニー「The Devil's Eye」

 

フーガ・デヴィルはロバート・M・プライス(Robert M Price)がフーガ・デヴィル・サイクルと名付けた作品群に登場します。作者が創造した田舎町ベッカムを舞台とし、人間を襲っては殺して行く怪物で、モーリス・ツァンの「The Spheres Beyond Sound」に従った演奏に依って異世界から召喚された存在が凶行に及びます。赤く輝く目をしており人間の身体を引き千切れる程の怪力を発揮します。作者はこのサイクルに属する五作品を、作品集「The Last Trumpet 」に収録するに当たって「Therenody」「The Spheres Beyond Sound」「Fugue Devil」「The Devil's Eye」「Spiritual Radio」の順に連作集として構成しています。

実はフーガ・デヴィルが出現しその名が囁かれるのは作品集の書き下ろし表題作として発表された「Fugue Devil」と、Tales of Lovecraftian Horrorの4号に発表された続編の「The Devil's Eye」の二作だけです。「Fugue Devil」は少年達が主人公で、語り手の少年の友人や父親が犠牲になって行きますが、その原因については、どうやら山で謎の人物が行った奇怪な演奏が関わっているらしい事が仄めかされています。そして続編の「The Devil's Eye」では前作で殺された少年の兄を主人公に17年後に再び起きるフーガ・デヴィルの凶行を描いています。最初から読んで行けば「Fugue Devil」の事件の元が「The Spheres Beyond Sound」にあると判り、「The Devil's Eye」の事件の元が「Therenody」にあると判るのです。Dream-landsものの変型譚とも受け取れる「Spiritual Radio」については主人公が夢でさまよう世界の先がフーガ・デヴィルをもたらした世界に繋がっているのかとも考えられますが、それよりも主人公の妻の名が「Fugue Devil」のヒロインだった少女と同じなので、フーガ・デヴィルにまつわる物語と云うより人物に焦点を当てた続編と想われます。

 

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