Detailed Explanation (may be) of Gods of CTHULHU MYTHOS
モーリス・ツァン
1987年 初言及作品:スティーブン・マーク・レイニー「Therenody」
1988年 言及作品:スティーブン・マーク・レイニー「The Spheres Beyond Sound」
1992年 関連作品:スティーブン・マーク・レイニー「Spiritual Radio」
1993年 関連作品:スティーブン・マーク・レイニー「Fugue Devil」
1996年 関連作品:スイィーブン・マーク・レイニー「The Devil's Eye」
この人物は、学生時代に読んだ「エーリッヒ・ツァンの音楽」を初めてのラヴクラフト作品にしてクトゥルー神話作品と語るスティーブン・マーク・レイニー(Stephen Mark Rainy)が、自ら編集を担当していた同人誌Deathrealmの2号に発表した「Therenody」に名前が登場しました。そこでは主人公の亡き祖父が入手していた「The Spheres Beyond Sound」を書いた人物となっており、その人となりについては不明です。モーリス・ツァンの手記は異世界からの何かを召喚出来る音楽の実践方法について書かれており、祖父は実際に実験しておりそのテープが残されていて、そのテープを再生すると何かが出現し・・・と云うのが「Therenody」の内容で、もしかしたら「エーリッヒ・ツァンの音楽」の真相もその様なものではなかったのか・・・と想わせるものになっていますが、ここではエーリッヒ・ツァン(Erich Zann)については何も語られていません。姓も同じツァン(Zann)ですが、両者が縁戚であるのかどうかも判りません。どうやら、このレイニーと云う人はそうした遊び心とはまるっきり無縁の人の様です。ですが、この人物がエーリッヒ・ツァンへのオマージュである事は確かです。もっとも、それだけではありません。レイニーの子供時代、子供向けに音楽紹介をしていた実在の音楽家モーリス・ツァン(Maurice Zam)へのオマージュにもなっています。エーリッヒ・ツァンの名前を見た時、この実在の音楽家の事が想い起こされたのだそうです。 なお、続編として同人誌Tales of Lovecraftian Horrorの2号に発表された「The Spheres Beyond Sound」は、前作の主人公の祖父が実験を行った時の話です。
モーリス・ツァンの名前が登場する前述の二作は、ロバート・M・プライス(Robert M Price)がフーガ・デヴィル・サイクル(Fugue Devil Cycle)と名付けた一連の作品群に属しており、フーガ・デヴィルこそ登場していませんが、その根幹を成すものとなっています。
関連項目
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