Detailed Explanation (may be) of Gods of CTHULHU MYTHOS
フサグァ
1933年 初登場作品:ドナルド・ワンドレイ「The Fire Vampires」
1976年 言及作品:リン・カーター「Zoth-Ommog」
呼称(自称)
クティンガの王(Lord of Ktynga)
クティンガ彗星に建物を建てて暮らしている青い炎の生物で、クティンガ彗星唯一の住人です。
人間の前には炎の生物(Fire Vampire)として現れますが、彗星に建物を建てて暮らしている事から、エネルギー性の生命体ではなく物質的な生命体であると想われますが、正体は不明です。又、不死身ではなく一千万ボルトの電流で倒す事が出来ます。
自分の一部、又は分身の様な存在を多数従えて地球に飛来しますが、それらは単なる操り人形に過ぎず、フサグァが倒されてしまえば消えてしまいます。フサグァと操り人形達との違いは色で、フサグァが青色なのに対し、彼等は赤色をしています。
高い知性を有し、地球の様々な言語を理解しており、赤い炎の生物たち(自分の操り人形)に空中で文字を形作らせて人類に自らの意思を伝えます。
元々、クトゥルー神話の存在ではなくドナルド・ワンドレイ(Donald Wandrei)がWeird Talesの1933年2月号に発表した侵略ものの怪奇SF「The Fire Vampires」に登場した宇宙生物でした。おそらくオーガスト・ダーレス(August Derleth)がクトゥグァ(Cthugha)のモデルにしたのも、この存在でしょう。クトゥグァには炎の生物も付いて来ていました。
フサグァを正式に(?)クトゥルー神話に招き入れたのはリン・カーター(Lin Carter)です。アンソロジー”Diciples of Cthulhu”に書かれた「Zoth-Ommog」で、カーターはフサグァをクトゥグァに仕えるLesser Old Oneである炎の生物達の首領であるとしました。そして、炎の生物達はクトゥグァの子供達とされていますから、フサグァも又、クトゥグァの子供と云う事になります。
なお、カーターの設定をダニエル・ハームズ(Daniel Harms)は気に入らなかったのか、”Encyclopedia of the Cthulhu Mythos”のFthagguaの項でフサグァとクトゥグァの間に関係があるのかどうかは不明瞭であるとしています。
なお、フサグァが倒される「The Fire Vampires」は2321年が舞台なので、今の時代、フサグァは、まだ健在と云う事になります。
関連項目
Detailed Explanation (may be) of Gods of CTHULHU MYTHOS