Fire Vampires

Detailed Explanation (may be) of Gods of CTHULHU MYTHOS

 

炎の生物達

 

1932年(?)  関連作品:ドナルド・ワンドレイ「When the Fire Creatures Came」

1933年   初登場作品:ドナルド・ワンドレイ「The Fire Vampires」

1944年     登場作品:オーガスト・ダーレス「闇に棲みつくもの」

1976年     言及作品:リン・カーター「Zoth-Ommog」

1978年     登場作品:エドワード・ポール・バーグランド「Sword of the Seven Suns」

 

別名

Flame-Creatures

フサグァ(Fthaggua)に従う生物・・・と想われていましたが、実態は、フサグァの一部で各自は独立した存在では無かった・・・と云うのがドナルド・ワンドレイ(Donald Wandrei)がWeird Talesの1933年2月号に発表した「The Fire Vampires」のストーリーでした。彼等の弱点は本体であるフサグァを倒される事でした。すなわち、ここでの炎の生物達とは、一見、主に仕える種族の様に見えて実は主の端末の様な存在と云う訳です。近年の具体例としては秋津透氏のルナ・ヴァルガーに登場したクラーケン・ヴァルガーとスライム・ウールス達があります。各ヴァルガーには、それぞれウールスと呼ばれる従属種族が居るのですが、クラーケン・ヴァルガーの場合は本当のウールスではなく、クラーケン・ヴァルガーから伸びる糸の先が各スライム・ウールスに繋がっていて操っていました。                                                                      後、オーガスト・ダーレス(August Derleth)がWeird Talesの1944年11月号に発表した「闇に棲みつくもの」(The Dweller in Darkness)フサグァを元にしたと思しきクトゥグア(Cthugha)を登場させた際、矢張り附録で炎の生物達がついて来ました。そして彼等はクトゥグァに従うクトゥクグァの子供達であるとされ、その事でフサグァの単なる分身もしくは端末的存在から、独立した存在にと昇格(?)を果たしました。                                                                                                    後、リン・カーター(Lin Carter)が1976年にアンソロジーに発表した「Zoth-Ommog」でLesser Old Oneの概念を打ち出した際、炎の生物達の頭はフサグァであるとされました。

 

こうして考えてみるとワンドレイが1933年に「The Fire Vampires」を発表していなければクトゥグァはおらず、ダーレスが炎の精にあたる古きもの(Great Old One)を出していても、もっと違った形の存在になっていたかも知れません。その意味で、この作品がクトゥルー神話に与えた影響はかなりのものだったと云えるでしょう。                                     実を云うと、ワンドレイは本作に先立っておそらく1932年頃の事ですが、「When the Fire Creatures Came」と云う作品を発表しています。ここでは、炎の生物達とは異なる火の生き物達が登場していますが、当時はかのエドモンド・ハミルトンも似た様な生き物をテーマにした話を書いており、又、40年代にはエリンク・フランク・ラッセルの「超生命ヴァイトン」、50年代にはマレイ・ラインスターの「ガス状生物ギズモ」と、既知生命体とは異なる生命体をテーマとしたSF作品の先駆けとして、炎の生物テーマが30年代にあったのでしょうか?

 

 

炎の生物達はクトゥグァ召喚の呪文で呼び出す事が可能で、クトゥグァ抜きで現れる事もあります。ナイアルラトホテップ(Nyarlathotep)の弱点が炎である為、対ナイアルラトホテップ用に召喚される事もあります。E・P・バーグランド(E・P・Berglund)が1978年に同人誌Eldritch Talesの3号に発表した「Sword of the Seven Suns」では、ナイアルラトホテップの化身とヒーローのモーガン・スミス(Morgan Smith)相手に敵の魔導士がクトゥグァの召喚を使って炎の生物達を呼び出していますが、この時、敵の召喚を利用したスミスが矢張り炎の魔神であるヨーマグンソ(Yomagn'tho)を召喚すると、只の一つも犠牲を出す事なく(彼等の召喚主は別として)その場から去ってしまうと云う逃げ足の速さを披露しています。

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