Black God

Detailed Explanation (may be) of Gods of CTHULHU MYTHOS

 

暗黒神  

 

1934年    登場作品:キャサリン・L・ムーア「暗黒神のくちづけ」

                              「暗黒神の幻影」

  

キャサリン・L・ムーア(Cathrine L Moore)がWeird Talesの1934年10月号に発表したジョイリーのジレル(Jirel of Joily)第一作「暗黒神のくちづけ」(The Black God's Kiss)及び同12月号に発表した続編でシリーズ二作目の「暗黒神の幻影」(The Black God's Shadow)に登場する存在で、悪魔の別名です。固有の名は判っていません。ジレルの居城の地下牢の石壁の向こうに通路があり、そこを抜けると暗黒神の世界に行かれます。悪魔とは云っても神殿に像が祀られていますので、異次元の神なのであって、キリスト教から見て悪魔と云う事なのでしょう。

敵将ギョーム(Guillaume)に敗れ城を占拠され唇まで奪われかけたジレルが怒りを胸に赴いた時には、神殿の中の未知の黒い物質で作られた性別の無い単眼の半人間の像に権現し、像の口にくちづけたジレルの口に相手を死に追いやる力を送り込みます。その力でギョームを死に追いやったジレルは、しかしその事でギョームの亡霊に苦しめられ彼の魂を暗黒神から解放すべく暗黒神と対決します。

シリーズ中、ストーリーに繋がりがあるのはこの二作品だけで、想うにシリーズ化の積りで書いたのではなく、女領主の復讐譚とその後日談として書いたところ評判が良かったので同じ主人公で書き継いで行ったのではないでしょうか。作者は本来SF好きで執筆意欲も怪奇幻想よりもSFに向いていたそうなので、この一作目と二作目は兎も角、以後のシリーズは書きたくて書いたと云うより読者の求めに応じて書いて行ったのではないかと想います。 

 

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